自販機に精神が救われた話

こんにちは、アーモンです。

誰でも、「他の人から見たらどうってことないけど、自分にとってはちょっと特別だな」っていう物・音・匂い・行動・場所とかってあるんじゃないかと思ってます。

今日はわたしにとっての、そういうちょっと特別なことの話をします。

目次

誰にも会いたくない夜、自販機と私の関係

今日の主役は自販機。

私の家の近所にある自販機です。
全然、なんてことないただの自販機です。

ある夜、なんだか気分が落ち込んでいたのか、全然人に会いたくないな〜って時があって、

でも何か飲み物が欲しくなった。

家には何にもなくて、でも水道水はまずいから嫌で。

まあそのくらいなら良くあることなのですが、その日の会いたくなさはズバ抜けてて、
コンビニの店員さんにも会いたくないってくらいだったんです。

で、「そういえば近くに自販機あるやん」と思い出してそこへ行きました。

最近の自販機って「カードをかざしてください」とか色々しゃべったり、
買った後、当たり機能が作動して「ピピピピピピ」とか鳴ったりするの多いんですけど

その近所の自販機はそういうの一切ない、現金でしか買えないタイプのやつです。

私は小銭を入れて水のペットボトルのボタンを押す。

自販機はゴロゴロっと音を立ててペットボトルを出す。
その後ジャラジャラっとお釣りがくる。

私はペットボトルとお釣りをとる。

その間、当然なんですけど私と自販機は何も言葉を発しません。
第三者の存在や影響もそこにはありません。

ただそこには「私」と「自販機」がいて、

私は、自分が何をしたいか、そのために自販機に対して何をしたらいいかわかっているし、
自販機も自分が何をすべきかわかっていて、それを淡々とこなす。

お互いに自分のこと、相手のことについて必要な分だけわかっていて、余計なことは何もない。
それ以外には関心がない。
だから言葉もない、それ以上でも以下でもない、一対一の関係だけがある。

自販機で飲み物を購入する一連の流れの後、なぜか私はそういう感覚を抱きました。

そして、「私は今、そういう関係を求めていたんだな」と気付きました。

人と人が関わるとき、それがたとえ一瞬でも、お互いの探り合いとか気遣いとかが発生します。

コンビニの店員さんとの会話でも、「聞かれる前に袋いらないって言った方がいいのかな」「支払い方法、今いえばいいのかな」とか、めちゃくちゃ些細ですけど色々考えてはいる。

逆にそういうのが少ない、たとえば付き合いの長い友達とかはお互いの考え方や価値観がなんとなくわかっている関係は誰にとっても楽で心地がいいものです。

その日の私にとっての自販機ってそれの究極系だったんじゃないかなって思いました。

飲み物への欲求のみに限定はされますが、その部分においてはお互い完全に理解しあっている。
逆にそれ以外のことはして欲しくないんです、余計な一言はいらない。

と、「完全に自分のことを理解してほしい!」というめちゃくちゃわがままな状態だったわけですね。
わがままってわかっていたから、「ならいっそのこと誰にも会わない!」ってなってたんでしょうね。

面倒なヤツ!!!!

もしみなさんにも「とるにたらないものもの」があれば教えてください

江國香織さんのエッセイに「とるにたらないものもの」というエッセイがありまして

それを読んで、自分にはあるかな〜と考えた時に思い出した話でした。

そのエッセイもとても読みやすいですし、自分の中の小さないいかんじの気持ちを思い出せたりするのでおすすめです。

ぜひそういったものがあれば教えてください。

それではまた明日!

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